2005年05月31日

2005/05/31

10時、carrousel Theaterにて、Theater der Jungenwelt Leipzigの『Das singende klingende Baeumchen(歌うたい、鈴ならす木)』観劇。
王様のわがままな娘が成長し、最後はココロやさしい娘に成長する、いわゆる成長譚。
娘の用いるコトバが変化しているのに、ちょっと気づけた。それだけでボクは自分に感動。
子供向け芝居は、芝居の勉強にもなるけど、ドイツ語の勉強にもなる。

GRIPSにて雑務の後、
19時半、Berliner Ensembleにて『Ein Sommernahtstraum(夏の夜の夢)』観劇。
ベルリーナ・アンサンブルがシェイクスピアをどう料理するか楽しみだったが、思うほど楽しめなかった。3階席で観劇したのだが、どうもこの劇場の3階席はボクと相性が良くないのか、気分が悪くなってきて、途中休憩で帰宅した。今日は少し早めの就寝。

2005年05月30日

2005/05/30

10時、carrousel Theater an der Parkaueにて、『Ein Hauch von kaltem Wetter oder Spuk auf dem Bauernhof(さむ空の息吹、あるいは農場でのフシギな出来事)』観劇。
特別に何か強いメッセージがあったワケではないが、舞台に登場する動物たちが老夫婦に「名前をください」と語りかけるのは、ひょっとしたら、「人格の尊重」や「権利の主張」に繋がっているのかも知れない。
遊び心豊富な演出で、見習いたい箇所の多い演出であった。

昼以降、GRIPS作業場にて雑務。

20時、Schaubuehneにて『Die Dummheit(ばか)』観劇。
タイトル通り、おバカさん達が繰り広げる、ドタバタ喜劇。俳優5人で喋りっぱなしで、その上、衣装替えをしながら、一人4?5役演じ分ける。大変な作業である。
最初は楽しめたけど、ボクも疲れた。途中休憩が一回あったけど、やはり上演時間4時間は長い。外国人であるボクにはやはりキツイ。
24時に終演して、ボクが帰宅したのは午前1時。頭も体もクタクタだ。
だけど、文句は言うまい。
舞台転換や衣装替えについて、参考になることの多い舞台だったし、
それに何より、俳優っていうのが尊い仕事であることを教えてくれた舞台だったから。

2005年05月29日

2005/05/29

11時、Puppen Theater Firlefanz Berlinにて、Puppentheater Felicioの『Dornroeschen(眠れる森の美女)』観劇。このFelicioという人形劇団は、 Firlefanz 親しく交流しているようだ。
人形遣いはやはり、今日も一人。ただしFirlefanzと違って、中年男性が人形を遣い、なかなか志の高い人形劇を展開していた。
人形を如何に柔らかく流れるように動かし、「複雑な表情」を観客に想像させるかに挑戦している。舞台展開の演出も凝っていて刺激的な作品。

13時から17時、ナカジマ邸にて昼食をご馳走になる。

20時、Berliner EnsembleのProbebuehne(稽古場)にて、『KASSANDORA(カッサンドラ)』観劇。稽古場といっても、吊物バトンの昇降も可能な立派な会場。
さて内容はというと、女性5人による硬質な芝居で、ボクは手も足も出ず完敗。

2005年05月28日

2005/05/28

菩提樹の綿帽子が鬱陶しいほど舞っているベルリンを後にして、11時15分、船戸嬢は日本へ。
お疲れ様。8月のお芝居が成功することをお祈りしています。

見送りの後、カフェにて資料整理と雑務。
19時半より、GRIPS Theaterにて『Eine linke Geschichte(ある左翼の物語)』二度目の観劇。先日、別のところでカバレットを観たので、GRIPS Theaterの精神性であるカバレット演劇の面白さが前回よりも感じ取れた。が、内容はやはりムズカシイ。
壁崩壊後以降?現在に至るまでのシーンを通して、フォルカー・ルードヴィヒ氏がどう現在を見ているのか知りたいが、やはりそれも芝居から汲み取るのは今のボクにはムズカシイ。今度、直接ハナシして聞いてみよう。

2005年05月27日

2005/05/27

ベルリンはカスターニエンの栗の花がたいぶん散ってしまった。 今日は真夏日である。
ドッヂボールのようなオッパイをした女性たちがTシャツで街を歩いていて、あぁ幸せな季節。
朝、散歩がてらにベルントにユダヤ人墓地を案内してもらう。
その後は船戸嬢の土産の買い出しに同行。

16時半、ベルントの「お喋り教室」。
18時半から久々に船戸嬢と劇団ミーティング。清流、再始動に向けての打ち合わせ。

20時半、スペインレストランにて船戸嬢と最後の食事。

2005年05月26日

2005/05/26

ベルリンは初夏の陽光。エエ天気なのに今日は三本の芝居をハシゴ。
11時からGRIPS/STWにて『Hallo Nazi』観劇。二回目の観劇で、前回よりも少し内容は分かった。人間の中にある「ナチ性」をあぶり出しているんじゃないだろうか、と思う。
他者を排除しようとする精神に、強く明かりを当てたその作品作りは、先日の『ANDORRA』に共通する、ように思う。んー分からない、満足できるほどコトバが聞き取れていないから。

16時、Puppentheater Firlefanz Berlinにて『Aschenputtel』観劇。
来る8月に一人芝居をする船戸嬢の参考になるかと思って、ご案内。
「客が来ないから、今日はやらないかもしれん」と、人形遣いのオジサンは、客であるボクと船戸嬢に向かってムゴイことを言う。幸い何人か他にお客さんが来たので、拝見できた。
作品内容はシンデレラのパチリ。でも、そのパチリ加減がステキ。
会場係から受付、照明音響・舞台転換・人形遣いまで一人でやっておられるこのオジサンの一人芝居に、船戸嬢も満足されたのでは。

ベルリーナ・アンサンブルのブレヒト芝居を見に行った船戸嬢とは一時お別れして、
ボクは20時より、Deutsches Theater Kammerspieleにて新作公開稽古『Goebbels』を観劇。
大変ムズカシイ芝居だった。ナチ宣伝相ゲッベルスの日記を下にした記録的演劇。
発せられるコトバがムズカシイので理解できない。必然的に上演台本の編集意図も演出意図も読めない。
客席に挑発的に語りかけてくる、男4人による硬質でアイロニカルな作品のように感じた。
もう一度観てみたいがチケットが取れるかなぁ。

2005年05月25日

2005/05/25

朝からSバーンに乗って少し遠出。Gedenkstaette und Museum Sachsenhausen(ザクセンハウゼン強制収容所跡)を見学。
アウシュビッツと同じ「強制収容所」であるにも関わらず、展示のされ方が大きく違う。
やはりそれは、侵略した側の『自らの苦い過去』と占領された側の『憎しみに満ちた苦い過去』との差だ。痛みとむごさを緩和したこの博物館。自らを振り返り、日本は…。そしてボクは…。

メキシコレストランにて食事の後、
19時より、komische oper berlinにてオペラ『Die Hochzeit des Figaro(フィガロの結婚)』観劇。
「是非オペラを観たい」と言ってた船戸嬢はドレスアップして劇場へ。船戸嬢は作品に満足されたのでしょうか? ボクはウトウトしておりました。

2005年05月24日

2005/05/24

船戸嬢を連れてベルリン市内観光をしようと、路面電車の駅へ。
いつまで経っても電車が来ない。…路面電車と地下鉄がストに入っていた。
仕方なく、ハッケシャマルクトを通って、ベルリン大聖堂まで歩く。
その後も、アレクサンダー広場まで歩く。
…等々、たくさん歩きながらの、ベルリン市内観光。

19時半、Berliner EnsembleにてMax Frisch作『ANDORRA(アンドラ)』観劇。
演出家クラウス・パイマン氏が、アイロニカルなFrisch戯曲を存分に表現した出色の出来である。
主人公は、愛人との間に生まれた庶子で、ユダヤ人の里子として育てられてきた。
物語の後半、主人公は自分がユダヤ人ではないことを知るが、その後も彼は自身の中にあるユダヤ性に悩み続ける。

2005年05月23日

2005/05/23

10時、carrousel Theater an der Parkaueにて、『Der kleine Prinz(小さな王子様)』観劇。
児童劇である。旧東ベルリン地域にあるこの劇場は、その建物自体が非常に大きい。
舞台はプロセニアムアーチを持つ額縁舞台。この劇団はグリプス劇場と同じく青少年演劇を演目としているが、舞台と客席との距離が非常に近いグリプス劇場とは舞台の構造が全く違う。(グリプス劇場は日本でいう小劇場に近い)
額縁舞台では、子供を劇世界に引き込むのにより緻密な計算が必要だ。
作品自体については、ま、「フツー」ですわ。

17時半、船戸嬢訪独。
ハッケシャホーフ界隈を案内した後、タイ料理レストランにて夕食。

2005年05月22日

2005/05/22

11時、昨日も行ったPuppentheater Firlefanz Berlinにて『Des Kaisers neue Kleider(王様の新しい服)』観劇。アンデルセンの『裸の王様』からの創作人形劇である。
昨日この劇場に来て、もっと人形劇に触れてみたいと思ったので再訪した。
勿論全て聞き取れているわけではないので、はっきりは言えないけれど、
「語り口」が見事だ。ちょっと感動しちまった。また行こうと思う。

19時半、Deutesches Theaterにて、Theatertreffen 2005(ベルリン演劇祭2005)招待作品・Muenchner Kammerspiele(ミュンヘン劇場)『Mittagswende(白昼の曲がり角)』を観劇。
今日も難しい芝居だった。動きが少なく、語られるコトバもかなり難しい。開演直後から、理解する糸口がなかなか見つからない。
しかし、この作品も好感の持てる肌触りだった。
…3幕目、防空壕らしき場所でコトバを交わす人たち。外ではミサイルが落ちているようだ。1905年に書かれた本作品を、この劇団は現在にうまくたぐり寄せて上演していたように思う。

この作品が今年のベルリン演劇祭、最後の観劇だった。人気が高く、演劇祭のチケット入手は困難だったが、YABARAさんに尽力して頂いて、観たかった作品全てを拝見できた。いつも甘えっぱなし。それは他の方にもそうだ。お世話になっている多くの方々に、何かの形でいつかお返ししたいと思う。